研究ハイライト
成果報告
VERAが観測したW49Nの水メーザーバースト
VERAで星形成領域W49N水メーザーのモニター観測を行い、水メーザーのアウトバースト現象の検出に成功しました。
特定のメーザースポットが爆発的に増光する現象を「アウトバースト現象」といいます。これは、W49Nで観測されたアウトバーストとして最も強いものの一つです。(左図)
また、このアウトバーストの最中にVERAアレイを用いたイメージング観測も行われ、アウトバーストを起こしているスポットの特定に成功しました。(下図)
興味深いことにこのスポットはアーク状をしたスポットの並びの中に位置しており、形成中の星によって押し広げられたショック領域中でこのようなバースト現象が発生したと考えられます。
今後はこのアーク構造の運動を解析することで、この現象の詳細なメカニズムにせまります。
上左図:VERAで観測したW49N水メーザースペクトルの変化。
281日、294日近辺でVLSR=-30.7km/sの成分が激しい増光を示している。
上図:VERAで観測したW49Nのメーザースポット分布。観測日は2003年の通年日294日。
右側は中央付近の拡大図で、矢印がアウトバーストしたスポットを示す。アウトバーストを起こしたスポットはアーク状のスポットの並びに位置している。
関連論文
- Honma M. et al. 2004, PASJ, 56, 703, VERA Observation of the W49N H2O Maser Outburst in 2003 October [英語](PDF:114KB)