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VERAとは天体の距離を測る目標精度特徴観測する天体
他プロジェクトとの連携SKAパスファインダーVERA年表

VERAとは

SKAパスファインダー

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VERA水沢局のアンテナ

2018年7月、VERA望遠鏡がSKA機構からSKAパスファインダーに公式に認定されました。これによってVERAは、SKAに関係した科学・技術に貢献する世界中のSKAパスファインダーに仲間入りします。

SKAとは、Square Kilometre Arrayの略で、1平方kmの面積を持つ“人類史上最大の大型電波干渉計計画”です。設置場所は南アフリカと豪州で、このプロジェクトを推進するSKA機構には、両国を含む11か国が参加しています(2018年7月現在)。SKAが実現すると、宇宙初期の“宇宙の暗黒時代”や宇宙磁場の起源の理解が進み、またパルサーを用いた相対性理論の検証や超低周波重力波の検出が可能になると期待されます。観測対象周波数は100 MHz〜22 GHzを想定しています。

SKAパスファインダーとは、SKAプロジェクトにつながる研究や技術開発の推進が期待される装置を、SKA機構が公式に認めるものです。これまでに世界で13台の装置が認定されています。SKAパスファインダーとしてのVERAには、SKAの中で比較的高い周波数帯での準備研究の推進と、VLBI関連の技術開発や装置性能評価面での貢献も期待されます。

「VERAは主にK (22 GHz)帯とQ (43 GHz)帯のVLBI観測をしています。したがって、そのような高い周波数でのSKAに向けた科学検討が、VERAを使って集中的に進むと期待しています」と、VERAを運用する国立天文台水沢VLBI観測所の所長、本間希樹教授はコメントしています。「今後VERAとの協力によってSKAのVLBIの能力が高まり、SKA-MID(観測周波数1〜22GHz帯)に大陸間の最長基線をもたらすことで、SKAの価値を一層高めることになると考えています。」

SKA-MIDとは、現存する64台のMeerKAT(南アのSKAサイトに建設中の電波干渉計。将来SKAの一部となる)アンテナを組み込んだ、約200台のパラボラアンテナのアレイです。南アフリカの砂漠に設置される予定です。SKA-MIDは重力波、パルサー、そして天の川銀河の中の生命の兆しなど、多くの興味深い分野の研究に活用されます。SKA-MIDは将来的にアフリカ大陸全土へと拡大していく予定です。

VERAを構成する4つのアンテナのうち、2つは本土に、残り2つは離島(小笠原島と石垣島)にあります。離島へのアクセスの難しさにおいてVERAで得られた教訓は、SKAでの望遠鏡の運用にもたいへん役立つと考えられます。なぜなら、SKAのオーストラリアや南アフリカのリモート局が同じような問題を抱えているからです。

「国立天文台と水沢VLBI観測所はVLBIのサイエンスと技法のすべての側面で高い技量をもっています。とりわけ、SKAのための高周波受信システム、アナログ・デジタル変換、そしてVLBI後段処理系の専門知識は、SKAでも大変興味があるところです。」と、SKA機構長のPhil Diamond教授は話しています。アナログ・デジタル変換は観測した信号を光ファイバーで伝送するための変換で、SKAの重要なコンポーネントです。「VERAを通じた日本のみなさんの、SKAへのさらなる国際協力を楽しみにしています。これが日本でのSKAの検討をさらに前進させる契機となることを望みます。」

SKAパスファインダーの詳細はここで確認をすることができます。 https://www.skatelescope.org/precursors-pathfinders-design-studies/(英語)


VERA望遠鏡の配置図



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