VERAトップページへ  
ここから本文

成果報告その他の報告

研究ハイライト

成果報告

大質量星形成領域 IRAS 20126+4104 の距離や膨張運動を精密に測定

画像
IRAS 20126+4104の赤外線画像 (出典)

国立天文台の永山匠氏を中心とした研究チームは、VERAを用いて大質量星形成領域 IRAS 20126+4104 の水メーザー観測を行い、年周視差や地球からの距離を計測しました。

IRAS 20126+4104 は、はくちょう座にある大質量星形成領域で、銀河面から 100pc(=326光年)ほど上空に位置しています。

研究チームは2009年9月〜2011年4月にかけて、VERAを用いた複数回の観測を行いました。
その結果、年周視差は 0.750±0.092 mas、地球からの距離は約 1.33 kpc(=4336光年)と算出されました。
また、今回の観測により、IRAS 20126+4104 は銀河面から更に毎秒 16km 程の速さで遠ざかっていることがわかりました。

この「スーパーバブル」は超新星などの爆発の残骸であるという説があり、これまでのヒッパルコス衛星の観測でも、このバブル付近にある星の運動は膨張を示唆していました。(図2
今回、スーパーバブルのガスに付随する IRAS 20126+4104 でも同様な運動が観測されたことは、爆発現象によってこのようなバブルが作られた可能性を支持しています。

fig.1
図1:IRAS 2016+4104の年周視差。縦軸は位置、横軸は時間を示す。
点は実際の観測データで、赤丸が東西、青丸が南北方向。

fig.2
図2:画像中央やや右上の青い円錐が今回観測したIRAS 2016+4104。
緑の矢印(ヒッパルコス衛星のデータ)は、天体が膨張方向に動いている様子を示す。



関連論文



ここからフッター