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成果報告その他の報告

研究ハイライト

成果報告

メーザーの爆発的増光を発見

fig.1 VERA+山口大学32m鏡で行われた観測により、星形成領域 G33.64-0.21 で6.7GHzメタノールメーザーの爆発的増光が発見されました。

メタノールメーザーは、高分解能のVLBI観測によって星が生まれていく様子を観測することができるため、世界的にも注目されています。

今回、山口大学32m鏡で行った108日間のモニタ観測の間に、大きな増光現象が2回捉えられました。スペクトルの強さが発生前日と比べて一気に7倍ほども急上昇し、その後はおよそ5日で収まっていきました。他に小さな爆発が1回観測されています。これらの現象は全て同じスペクトル成分で繰り返し生じ、他の成分においては変化が見られませんでした。(一番下のグラフを参照)
また、VERAと山口大学32m鏡の共同観測により、その発生位置が星形成領域 G33.64-0.21 の南西の端であり、その領域の大きさが70AU(※)よりずっと小さいことが明らかになりました。(左上図の点線で囲まれたIIの部分)
 ※1AU=太陽と地球間の平均距離

原始星では、このような爆発的増光がときどき観測されており、星の周囲での磁気エネルギー放出によるものと考えられます。
今回の爆発的増光もこのような原始性の活動性に関連している可能性があり、6.7GHzメタノールメーザーの観測が、星形成領域や原始星の活動性を調査するために有用である可能性を示唆しています。

fig.2 fig.3
(左図)山口大学32m鏡で観測されたスペクトル。点線が爆発前、実線が爆発後を示します。爆発後にIIのスペクトルが急騰しています。
(右図)経過時間(横軸)によるスペクトルの成分別変化を示すグラフ。IIのスペクトルだけが2回大きく上昇していますが、他の成分は爆発と無関係なことがわかります。

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