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成果報告その他の報告

研究ハイライト

成果報告

大質量星形成領域 Cep-A の電波源 HW3d に付随する水メーザー双極流を発見

画像 鹿児島大学のJames O. Chibueze氏を中心とした研究グループと、国立天文台のVERAグループが行った観測により、大質量星形成領域 Cep-A にある電波源 HW3d に付随する水メーザー双極流が発見されました。

Cep-A は、地球から約700pc(=2230光年)の距離にある大質量星形成領域です。

今回の観測により、Cep-A に存在する電波源のうち HW3d という領域において、初めて水メーザーの相対固有運動を測定し、双極流を発見しました。
双極流の大きさは約280天文単位(*1)で、膨張速度は21 km/sと測定され、この双極流は誕生からまだ100年以内の若いものであることがわかりました。

この結果は、HW3d という領域でも若い星が誕生していることを示唆しており、若い原始星の性質や活動の解明に役立つと期待されます。

*1:1天文単位=地球と太陽との平均距離。約1億5千万km。

fig.1
図1:2006年のVLA観測から得られた Cep-A の電波画像。

fig.2
図2:左下は2006年VLA観測による HW3d の電波画像に、今回VERAでとらえた水メーザの分布を重ねたもの。
右は、更に拡大して水メーザの固有運動を表したもの。矢印はそれぞれの位置・速度・方向を表し、中央から外へ移動する双極流の存在を示している。



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