光結合VLBIについて

光結合VLBIとは

光結合VLBI(Very Long Baseline Inteferometry: 超長基線干渉計)は、遠く離れた電波望遠鏡を高速光通信回線で結合し、大量の観測情報を合成することで、これまでにない高い観測感度を実現します。そしてこれまで見えなかった微弱な天体に迫り、激しく変化をする天体現象を捉えます。


光結合VLBIが目指すもの

超高速光回線でデータ伝送を行う光結合VLBIでは、次の2つの特徴があり、これまでにない新しい天文学を切り拓きます。


観測対象の天体

VLBI観測が、光結合を利用した超高速で観測データを伝送できるようになると、従来まで検出できなかった天体の観測が可能になります。
なかでも観測成果が期待されている熱的天体の例を3つ示します。

VLBI観測が光結合を利用してリアルタイムで相関処理を行えるようになると、即時に観測結果を得ることができることから突発的な天体現象などを捉えることができます。リアルタイム観測が期待されている天体として次のようなものがあります。

光結合VLBIの経緯

1. 背景
 パラボラアンテナ技術の発達や原子時計の発達と平行してVLBI技術の進歩を支えたのが信号処理技術の長足の進歩でした。特にAD変換や相関処理の広帯域化は観測の高感度化に大きく貢献しました。そして永らくVLBI観測の広帯域化のネックは記録データレコーダの記録速度となっていました。

2. KSPの誕生
 90年代インターネットが爆発的に普及する基盤となった光通信技術の発展はVLBIのこのボトルネックを一気に解消できる可能性が生まれました。その光通信で結合されたVLBIネットワークは日本の通信総合研究所(現情報通信研究機構)のKSP(Key Stone Project:要石計画、首都圏広域地殻変動観測計画)によって世界で始めて実用化されました。KSP計画では128Mbpsの光通信を使ってリアルタイムで首都圏の地殻変動の観測に貢献しました。

3. OLIVEの開始
 またほぼ同時期に「はるか」と名づけられたスペースVLBI衛星が打ち上げられることになり、衛星からのVLBI観測データをリアルタイムで相関処理して衛星の観測効率を上げようとする国立天文台、宇宙科学研究所(現宇宙航空開発研究機構)、NTTによるOLIVE(Optical LInked Vlbi Experiment)計画もスタートしました。OLIVEでは、初め128Mbpsの伝送速度で衛星・地上間のリアルタイム相関処理に成功し、さらに、地上同士の256Mbpsのリアルタイム相関処理に成功しました。

4. GALAXYへの発展
 このKSP計画とOLIVE計画は統合されGALAXY計画となり、世界最初の1Gbpsのリアルタイム相関処理・天文観測に成功しました(2001年6月23日)。

5. VONUSの発足
 また国立情報学研究所による学術情報ネットワーク(SINET/スーパーSINET(現:SINET3))が開設され、日本全国の大学、研究機関等の学術情報基盤が高速回線で結ばれることになり、このネットワークを用いて光結合VLBIが展開されるようになりました。これをVONUS(Vlbi Optically linked Network Using Super-sinet:スーパーサイネット回線を使った光結合VLBIネットワーク)計画といいます。とくに2Gbpsの2回線で国土地理院、岐阜大学、山口大学と国立天文台間が結ばれることになり光結合VLBIの更なる広帯域化と観測網の拡大に貢献しました。

6. OCTAVEへの発展
 このGALAXYとVONUSを結合したのがOCTAVE(Optically ConnecTed Array for Vlbi Exploration)計画で、国内6局の電波望遠鏡を2/4Gbpsの双方向光回線で結合したVLBI観測網となりました。

<光結合VLBIプロジェクトの推移図>

OCTAVEの概要

GALAXYネットワークとVONUSネットワークを通じ6局の電波望遠鏡を光結合したOCTAVEは、世界で例のない超高感度リアルタイムVLBI観測ネットワークとなりました。その結果、2006年4月より光結合VLBI計画は国立天文台VERA観測所のサブプロジェクトとして正式に発足しました(光結合VLBI推進室)。
そして2011年度現在、光結合VLBI推進室は発展的に解消し、水沢VLBI観測所(水沢VERA観測所とVSOP-2推進室が統合)の事業として運用されています。

パンフレット


表紙・裏表紙
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1頁目
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過去のプロジェクト